五條西中で本紙記者が「防災」テーマに出前授業 「能登地震 人ごとでない」被災地取材の経験語る
教育現場で新聞を活用する「NIE」活動の一環として、奈良県五條市立五條西中学校で3日、産経新聞奈良支局の秋山紀浩記者が2年生の2クラスで「防災」をテーマにした出前授業を行った。能登半島地震の被災地を取材した経験談などを話し、生徒たちは真剣に耳を傾けていた。
紀伊半島豪雨や東日本大震災などの取材経験を持つ秋山記者。1月の能登半島地震では、発生から約3週間後の5日間、石川県北部で多くの被災者や被災現場、復旧の状況を取材した。
地割れした道路や倒壊した家屋など、現地の生々しい被災状況を撮影した写真を紹介。「一晩で雪が約㌢積もり、道路や畑の区別がつかない」「断水で困ったが、宿舎は湧き水でお風呂を沸かしてくれた」などと振り返り、「ほんの半年前に同じ日本の中で起きた災害。決して人ごとではない」と話した。
また、「過去の災害を教訓に『学校の帰り道に被災したら』『家で一人でいるときなら』などと具体的にイメージすることが大事」と強調。防災をテーマに新聞づくりを進めている生徒たちに「そのニュースが自分たちの生活にどう関係するか考えるとともに、高齢者や外国人観光客など自分以外の視点にも立ってみよう」とアドバイスした。
◇
この日は同支局の小林宏之支局長も1年生を対象に出前授業を行い、新聞の読み方や新聞記者の仕事などについて話した。