「紙撚」重ね合わせて水を表現 石田智子さんが奈良・川上村で個展
2024年09月27日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
無数の「紙撚(こより)」を使って独自の世界を表現する現代美術作家、石田智子さんの作品展「水潺潺(みずせんせん)」が、奈良県川上村の「匠の聚」ギャラリーで開かれている。10月6日まで、入場無料。
石田さんは大阪出身で染色作家などとして活動し、芥川賞作家・玄侑宗久さんとの結婚を機に福島県三春町に居住。禅寺での生活で包装紙を活用した紙撚作りを始め、幾層にも重ね合わせるなど紙撚を芸術作品へと昇華させていった。現在では紙撚の織りなす「石田ワールド」が国内外で高評価を得ている。
今回の展示テーマは、禅の言葉「雲悠々水潺々」から。「飲水思源」を経営指針とする奈良トヨタグループと「水源地の村づくり」を進める川上村などの共催で石田さんを招き、「水」から着想を得た大作2点が会場内に展開されている。
「のどかで美しいだけではない水や雲を表現した」と石田さん。主催者は「各展示会場の特性に応じて制作されるため、今ここにしかない石田さんの作品世界を楽しんでもらえる」とPRしている。問い合わせは同ギャラリー(0746・53・2381)。