人工林の檜皮で屋根よみがえる 春日大社末社の祓戸神社
春日大社(奈良市)で行われている20年に1度の社殿修理「式年造替(ぞうたい)」で、境内の末社・祓戸(はらえど)神社で檜皮(ひわだ)葺き屋根の葺き替え作業が進み19日、報道陣に公開された。檜皮は県が供給態勢確立を目指し採取実験を実施している春日山原始林そばの花山人工林のもの。大社では地元の檜皮の活用を歓迎している。
花山人工林での採取実験は檜皮の全国的な減少などを背景に、県内の文化財に供給できるよう取り組みが進められている。春日大社でこの山の檜皮が使われるのは2例目で、今回は今年2月に採取された檜皮が祓戸神社の屋根に生かされることになった。
二之鳥居近くにある祓戸神社の社殿(幅約1・1メートル、奥行き約1・3メートル)では今月から修理作業が開始。職人たちは檜皮を1枚1枚丁寧に葺き重ねており、次第に優美な屋根がよみがえりつつある。
修理後の11月18日には、仮殿から神が戻る「本殿遷座(せんざ)祭」が行われる。
祓戸神社は「春日祭」などの行事の際に身を清める大社のなかでも重要な神社。大社では「ゆかりのある山の檜皮が使われ、大変ありがたい」としている。
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