奈良交通がインバウンド取り込み向け、ツアー車両改装 出発時刻も変更
奈良交通は、インバウンド(訪日外国人客)向けのバスツアーを運行する車両をリニューアルした。奈良の観光スポットを車体や内装にデザイン。さらに、他府県に宿泊している旅行客もツアーに参加しやすいよう、出発時刻を午前から午後に変更した。インバウンドの来県が増える中、さらなる取り込み強化を図る。
ツアーは、「パーフェクト ナラ パーク ツアー」。奈良観光コンシェルジュの松原純さんが選定した奈良市内の名所を英語ガイド付きで巡る。夏の閑散期の7月1日~9月11日にも運行したが、利用者が少なかったため、冬の閑散期(12月16日~来年3月31日)の運行に当たって車両をリニューアルすることにした。
車両は3列シートで28人乗りの高速バスを活用し、若草山山頂から眺める夕日の風景を車体にラッピング。座席は、シカやシカせんべい、桜、藤の花など奈良公園にゆかりの深いイラストの入ったシートカバーを設置した。
また、JR奈良駅で路線バスを活用するインバウンドにヒアリングしたところ、京都や大阪に宿泊して来県する人が多かったため、利用しやすいよう、出発を午前便から午後便に変更した。
メキシコから三十数年ぶりに帰国した小宮山国俊さん(72)は、妻のセシリアさん(70)とともにツアーに参加。小宮山さんは「奈良公園は高校の修学旅行で訪れたきり。妻は日本語が話せないので、こうしたツアーはありがたい」と話した。
奈良交通自動車事業本部の黒田浩成課長は「奈良ならここ、という観光スポットを効率よく回れる。ゆったりとした景色をバスの中から楽しんでもらいつつ、奈良を堪能してもらいたい」と話している。
コースはJR奈良駅~近鉄奈良駅~東大寺~春日大社~若草山山頂~興福寺~近鉄奈良駅~JR奈良駅~県コンベンションセンターを経由し、所要時間は約4時間。大人1万1千円、子供8千円(拝観料など込み)。来年3月31日までの月・水運行(12月25日、30日、来年1月1日、6日、13日、3月12日は運休)。同社ホームページや海外OTA(オンライントラベルエージェント)などで販売する。
問い合わせは同社乗り合い事業部(0742・20・3150)。