大和郡山・番条地区「貯留機能保全区域」指定 全国3例目 田畑の浸水対策
2025年01月29日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
大雨の際に河川氾濫を防ぐため田畑に水を逃して一時的にためておく「貯留機能保全区域」に、大和郡山市番条地区が指定された。指定は川西町唐院地区、田原本町西代地区に続き、全国で3例目。 貯留機能保全区域は、令和3年の特定都市河川浸水被害対策法改正で、浸水被害の拡大を抑制するための土地利用対策として創設された。

感謝状を手にする上田清市長(右から2人目)ら=大和郡山市
番条地区は佐保川、菩提仙川、地蔵院川に囲まれ、大雨の際は市内でも特に深刻な浸水被害が懸念される地域で、今回は耕作放棄地を含む農地約3・6ヘクタールを指定。昨年1月に市が候補地として挙げ、県と国、市が土地所有者に説明会を開催するなどして、12月下旬に決まった。
今月16日には地域住民に対する感謝状の贈呈式を開催。上田清市長は「線状降水帯など年々増える大雨被害に備えるため、住民の方のご理解をいただけたのは感謝しかない」と話し、感謝状を番条町自治会の沢田忠匡会長に手渡した。市は今後、同地区での指定区域の拡大を目指す方針という。