県、メガソーラー断念 知事表明 地元反発で規模大幅縮小
2025年01月31日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
県は30日、山下真知事が表明した防災拠点での大規模太陽光発電所(メガソーラー)の設置を断念した。有識者でつくる会合で同日、太陽光パネルの規模を大幅に縮小して整備する内容を盛り込んだ基本構想案をまとめた。整備に反対する地元の五條市の同意を得られないと判断した。
当初は計約25万平方メートルの太陽光パネルを整備する想定だったが、基本構想案では、計約2100平方メートル規模に縮小する。太陽光発電は防災拠点の非常用電源として整備するが、県の試算で、規模を縮小しても電力を確保できるとした。
山下知事は会合後、記者団に「これまで計画した大規模な太陽光発電所は地元の同意を得る見通しが立っていない。事実上の断念だ」と話した。
日本維新の会公認で当選した山下知事は就任後、荒井正吾前知事が打ち出した2千㍍級の滑走路を備えた防災拠点整備計画を撤回した。昨年1月、メガソーラー整備を含む新案を表明したが、地元は方針転換に反発。同年3月、県議会の自民会派が関連費用を削減する令和6年度当初予算修正案を議会に提出し、可決されていた。