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神楽殿焼失を教訓に 橿原神宮で消防訓練


外拝殿の前で一斉放水が行われた消防訓練=橿原市

橿原神宮(橿原市久米町)の国重要文化財だった神楽殿が平成5年2月4日に失火で全焼したことを教訓に、同神宮と橿原消防署などの合同消防訓練が4日、境内で行われた。火災から30年以上経過し、当時を知る職員は少なくなったといい、参加者らは訓練を通じて防火へ気を引き締めていた。 訓練は、外拝殿から出火したとの想定で行われ、職員や消防署員ら約80が参加。巫女(みこ)や職員たちが消火器や放水銃で初期消火の訓練をし、消防車から一斉放水が行われた。
平成5年の火災では、境内で燃やした枯れ枝の火の粉が神楽殿の檜皮(ひわだ)葺きの屋根に飛び火して全焼したという。焼失前の神楽殿は、江戸時代末の安政2(1855)年に京都御所に建てられ、明治年の橿原神宮創建に合わせて明治天皇の意向で移築されていた。
焼失した神楽殿は平成8年に再建され、神楽殿や拝殿の周囲に放水銃を設置するなど防火対策を強化した。当時の火災を知る上田宗弘権宮司は「神宮にとって2月4日は忘れてはいけない日。訓練を機に防火意識を高め、いざというときにも適切に行動できるよう努めたい」と話した。

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