存続か廃止か 揺れる山添分校 村、今年度中に結論へ
奈良県山添村にある県立山辺高校山添分校のあり方を巡り、地元が揺れている。県立高校の分校でありながら村立であるという複雑さから、文部科学省は村立高校として独立して存続するか本校へ統合するか決めるよう村に迫っており、村は今年度中に結論を出す方針だ。卒業生らを中心に存続を求める声が上がる一方で、近年は村外から通う生徒が多いことから必要性を疑問視する声もあり、村民らの間でも意見が分かれている。(木村郁子)

県立山辺高校山添分校の存続を願って開かれた講演会=山添村
同校は4年制の昼間定時制高校で農業科と家政科があり、授業では村の気候風土に即した農業や村の伝統産業など特色豊かな授業を行っている。
昭和23年に旧波多野村の公民高等学校として開校し、同年に県立山辺高校の定時制分校として認可された。その後31年の山添村誕生に伴い、現在の「山添村立奈良県立山辺高等学校山添分校」に改称した。
だが、そうした学校のあり方について、平成28年に文科省が県教育委員会を通じて、是正するよう指導。令和5年に野村栄作村長が諮問した検討委員会は「定時制高校として(独立して)本校化すべきだ」との答申を野村村長に提出した。
これに対し、村民らの受け止めはさまざまだ。
村によると生徒数は減少傾向にあり、ピークの昭和40年に118人だったのが、令和6年度は32人。その多くは近隣の三重県名張市や同県伊賀市から通っており、県内在住の生徒は2割程度にとどまる。そうした中で本校化すれば校舎の改築費などで将来的な村の財政負担が増える可能性もあるといい、「村の子供がいないのならば、村立高校として維持しても立ちゆかないのではないか」と不安視し、本校への統合を推す声も上がっている。
一方で、自然豊かな同校は、中学生時代に勉強でつまずいたりいじめにあったりして不登校になった生徒たちの受け皿にもなっている側面もあり、卒業生の団体職員、向井芳輝さん(50)は「村にとって高校があるのは大きな財産。学んでいる子供たちのことを思い、ぜひ残してほしい」と話す。

分校の農業科の生徒たちは、地域住民らへの野菜の苗の販売も行っている=令和5年9月
そうした中、村は他の学校にない特色を打ち出して生徒を呼び込もうと、昨年6月から生徒と大人が混じって有機農業を学べるオーガニックスクールを同校で開講した。16日には村議と卒業生らが、村立高校としての存続を願って思いを語る講演会も開催したほか、存続を求める署名活動も20日まで実施している。
ただ、野村村長は慎重な態度を崩しておらず、村民らの意見を踏まえながら、今年度中に結論を出す方針だ。


































