城下町の春 再び華やかに イベント継承、高取「町家のひな祭り」 町商工会など尽力

「雛の里親館」に展示された500体のひな人形=高取町
日本三大山城の一つ、高取城の城下町、高取町の土佐街道沿いで、華やかなひな人形が軒先を彩る「町家のひな祭り」が開かれている。昨年春まで18年間続き全国でも知られる行事となっていた「町家の雛(ひな)めぐり」を継承。雛めぐりは運営メンバーの高齢化により一旦は終了を決めていたが「町をPRする資産にもなった雛めぐりの灯を消すわけにはいかない」との思いから、町商工会が中心となり継承した。3月16日まで。(小畑三秋)
土佐街道沿いには現在も江戸時代以降の町家が残り、由緒あるひな人形も数多い。昨年までの雛めぐりは、同町の元会社員、野村幸治(ゆきはる)さん(82)が平成19年、町おこしの一環として住民らに呼び掛けて玄関や店先にひな人形を飾ったのがきっかけ。米蔵を改装した「雛の里親館」では住民らから寄せられた500体を17段のひな壇に並べ、最盛期には全国から5万人近くが訪れた。
しかし、会員の高齢化や野村さんも体調を崩したことから、昨春の開催をもって幕を閉じることを決めていた。野村さんの妻、美千子さん(75)は「事業を続けてくれる人があれば」と望みを託していた。
終了を決めた後も「毎年楽しみにしていた」「リピーターが多いイベントを終わらせるのは惜しい」との声は根強く、町商工会などが住民らの協力を得て実現にこぎつけた。500体のひな壇も引き継ぎ、40軒の町家などにひな人形が飾られている。
今回は新たに、明治時代の町家を活用した「高取雛の資料館」(入館料200円)を開設し、地元の陶芸作家、山本義博さん(77)が収集した明治時代の豪華な「御殿雛」、人間国宝の故・岡本正太郎の作品とともに、山本さん宅に伝わる幕末のひな人形などを展示。山本さんは「ひな人形の表情とともに、時代の変遷も見てもらえるよう工夫した」と話す。

御殿雛を前に説明する山本義博さん
町商工会の久保宣夫会長(63)は「城下町の雰囲気に合わせた雛めぐりだけに、地元のさまざまな協力があって実現できた。町あげての取り組みに広げたい」と意欲をみせる。
野村幸治さんは「若い人が中心になって引き継いでくれて、これほどうれしいことはない。多くの人が高取を訪れてくれることが何よりの願い」と語った。
同町の古刹(こさつ)・壷阪寺でも「大雛曼荼羅(だいひなまんだら)」が4月20日まで開かれており、本尊十一面千手観音菩薩像の前などに並ぶひな人形4500体の壮大な姿が楽しめる。
町家のひな祭りの問い合わせは観光案内所「夢創舘(むそうかん)」(0744・52・1150)。大雛曼荼羅は同寺(0744・52・2016)へ。


































