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橿考研に保存科学センター開設、地方自治体で初 蛇行剣の保存処理で脚光


遺跡で発掘された出土品の保存修理などを行う保存科学の専門組織として、奈良県立橿原考古学研究所(橿原市畝傍町、橿考研)は1日、「保存科学センター」を開設した。これまでの「保存科学研究室」を改称し、態勢は大きく変わらないが、橿考研は「センターとして対外的に発信力を高め、さらなる機能の充実を図りたい」としている。保存科学分野での「センター」は地方自治体では初めてという。

保存科学センターのプレートの前に立つ(右から)青柳正規所長、水野敏典センター長、奥山誠義総括研究員=橿原市

保存科学は、文化財の保存修理のために自然科学の手法を応用した研究分野。数千年間も地中に埋もれた遺物を後世に残すには欠かせず、「文化財のお医者さん」といわれる。

昭和13年に創設された橿考研は、90年近い歴史の中で遺跡発掘だけでなく、同40年代後半からは木製品や金属製品の本格的な保存修理事業を開始。同60、63年には藤ノ木古墳(斑鳩(いかるが)町)で金銅製の冠などが発掘され、保存修理の必要性が高まったことから、翌平成元年6月に専門職員を1人採用し、保存科学研究室を設立した。

同4年には保存科学棟を設置し、保存や分析装置を充実させ、現在は専門職員4人を含む15人態勢で、県内外の遺物の保存修理や科学分析による古代の技術の解明などを行っている。

富雄丸山古墳(奈良市)で発掘された東アジア最大の蛇行剣については、肉眼では見えなかった漆塗りの柄(つか)や鞘(さや)の構造を明らかにした。現在も、蛇行剣とともに出土した盾形銅鏡、同古墳の木棺内で見つかった銅鏡などの保存修理を進めている。

 

遺跡の出土品にとどまらず、東日本大震災では津波による浸水被害を受けた古文書などの保存にも尽力。文化財を後世に残す拠点として全国的に注目されており、センター長は水野敏典資料課長が務める。

開設に先立って3月30日にはセンターのプレートの除幕式が行われ、関係者ら約20人が出席。橿考研の青柳正規(まさのり)所長は「保存科学は、発掘で土の中から揺り起こした遺物を再び安定させるための重要な研究分野。担当者を増やすなどさらに態勢を充実させたい」と話した。橿考研で20年間保存科学に携わる奥山誠義総括研究員は、「全国の自治体から頼られる存在になるよう努力したい」と抱負を語った。

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