DMG森精機、90億円かけ改修 奈良事業所を生産技術の拠点に 自動化システム構築

開所を祝いテープカットするDMG森精機の森雅彦社長(右から3人目)ら=大和郡山市
工作機械大手の「DMG森精機」は14日、約90億円をかけて改修を進めていた奈良事業所(大和郡山市井戸野町)を開所した。同社の工作機械にロボットや周辺装置を組み合わせて加工工程を自動化する仕組みを構築する「システムソリューション工場」と位置づける。深刻化する人手不足や生産性向上といった製造業の課題に対応する。
延べ床面積は約4万平方㍍で、うち自動化システム構築エリアは2万平方㍍を占め、改修前の約4倍に拡張した。同社が持つ多彩な自動化システムや資機材を投入し、設計、組み立て、顧客の立ち合いまで、同社のエンジニアが連携してワンストップで提供する。
同社によると、顧客ごとに工場環境や社員の勤務形態、製品の生産数が異なっているため、それぞれに最適化させたソリューションを提供する必要があるという。同事業所では顧客が自動化システムの精度や動作の確認を行うため、自社の工場でシステムが立ち上がるまでの時間を大幅に短縮できるほか、厳格なセキュリティー対策で機密性の高い案件にも対応できる。
同日行われた開所式で、森雅彦社長は「世界中のお客さまを奈良事業所に招きたい。日本の生産技術の拠点となることを期待している」と述べた。