興福寺で「放生会」 殺生戒め猿沢池に在来魚を放流
2025年04月18日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

放生会では僧侶が読経し、猿沢池に魚が放たれた=奈良市
殺生を戒める仏教行事「放生会(ほうじょうえ)」が17日、奈良市の興福寺で営まれ、法要後には教えに基づいて近くの猿沢池に魚が放たれた。
この日は南円堂の北側にある一言観音堂で、森谷英俊貫首ら僧侶が法要を営んだ。その後、猿沢池に移り、僧侶が般若心経を唱えた後、近くの小学生らとともに池に魚を放流した。
放ったのは、事前に池から採取したモツゴなど約300匹。以前は金魚を放流していたが、生態系に影響を与えるとの指摘を受けたため、近畿大農学部の協力を得て令和2年から在来種を放っている。
近畿大の学生らも放流を手伝い、4回生の男性は「奈良の行事に関わり、貴重な体験ができてうれしい。在来種、外来種についての知識を広めることは大切だと思う」と話していた。