橿原神宮「文華殿」最後の一般公開 26日から、修理中の内部を間近に
2025年04月24日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

大書院ならではの格式の高さがうかがえる建物内部

屋根瓦が葺き替えられた文華殿=橿原市の橿原神宮
保存修理中の橿原神宮(橿原市久米町)境内にある国重要文化財「文華殿」が今月26日~5月6日に一般公開される。来年3月末の完成に向けて、壁塗りなど内装の仕上げに取り掛かっており、修理中の内部公開は今回が最後という。
文華殿は、織田信長の弟で茶人として知られる長益(有楽斎)の五男、尚長を藩祖とする柳本藩(現天理市一帯)の陣屋御殿の大書院と玄関部分にあたる。江戸時代後期の天保15(1844)年に建てられ、明治10年から小学校の校舎として使われ、昭和42年に橿原神宮に移築された。
老朽化によって建物の礎石が沈み、屋根瓦が破損するなどしたため、令和2年度から県文化財保存事務所が建物の基礎の強化を含めて実施。屋根は江戸時代の瓦など約3万枚のうち8割を新調した。今回の公開では、大書院ならではの格式高い屋内の様子とともに、鳳凰(ほうおう)が丸彫りされた彩色欄間(らんま)が間近に見学できる。
一般3千円、高校生以下千円で宝物館の入館券付き。問い合わせは同神宮(0744・22・3271)。