「拉致被害者の早期帰国を」 曽我ひとみさんが天理市で講演
2025年05月1日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
北朝鮮による拉致被害者で帰国を果たした曽我ひとみさん(65)が、天理市民会館で「帰国から23年目を迎えて思うこと」をテーマに講演を行った。

北朝鮮の拉致被害者の救済を訴える曽我ひとみさん=天理市
講演は、県市町村人権・同和問題啓発活動推進本部連絡協議会が提唱する「人権を確かめあう日」(11日)に合わせた県内一斉集会の一環で、4月12日に実施された。
曽我さんは昭和53年に母のミヨシさんとともに新潟県佐渡市の自宅近くで行方不明となり、平成14年9月に日朝首脳会談で拉致被害者であることが判明し、同年10月に帰国を果たした。現在は佐渡市総務課拉致被害者対策係に勤務している。
講演会では、拉致されたときの状況や、北朝鮮での厳しい暮らしなどを説明。「一緒に拉致された母とはあれ以来会えていない。93歳になる母の年齢を考えると心配でたまらない」と訴え、「拉致問題は徐々に風化していると感じている。私たちが帰国した直後のように、今も北朝鮮に残る拉致被害者の早期帰国を願う気運を高め、助けてほしい」と語りかけた。