生駒市、職員へのハラスメント防止条例を7月施行 3割近くが「受けたことがある」
生駒市は、市長や議員、職員による職員へのハラスメント(いやがらせ)を防止する条例を7月1日から施行する。被害を受けた職員は、新たに設置されるハラスメント認定・対策委員会の調査を求めることができる。市によると、こうした条例は県内で初めてという。
市が昨年3月に条例案を議会に提出し、継続審査となったが、同6月に「実態把握をしたうえで再度提出する」などとしていったん撤回。職員らにアンケートを実施したうえで、同9月に改めて議会に提出した。再び継続審査となっていたが、今年3月の議会で議員が修正案を提出し、可決された。
条例によると、対象はパワーハラスメントやセクシャルハラスメントのほか、妊娠や出産、介護などに関するハラスメントも含まれ、市長や議員、職員は、「職員に対し、ハラスメントをしてはならない」と規定している。
修正前の条例案では「市長等、議員及び職員の間におけるハラスメント」と議員や市長も被害者となり得る表現だったが、被害者を職員に限定する文言に変わった。
被害を受けた職員は市内部の相談窓口や相談員、第三者による相談窓口に申し出ることができ、被害職員が求めれば、弁護士や臨床心理士、社会保険労務士ら5人以内の委員で構成されるハラスメント認定・対策委員会が調査する。事実が確認されれば、加害者が市長や議員の場合は公表し、職員の場合は懲戒処分などを受ける。
市はこれまで「職場におけるハラスメントの防止等に関する指針」を策定したほか、「ハラスメント防止ハンドブック」を作成。昨年職員らに実施したアンケート(929人回答)では、ハラスメントと思われる行為を受けたことがあるとする回答は264人(28%)だった。