大和西大寺駅周辺の渋滞対策 知事、政府要望見送り 高架化へ調査
2025年06月2日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
「開かずの踏切」がある奈良市の近鉄大和西大寺駅周辺の渋滞対策について、山下真知事は5月30日の定例記者会見で、令和8年度政府予算編成への最重点要望(知事要望)に盛り込むことを見送る方針を明らかにした。同市などと協議会開催のめどが立たないためとし、今年度に高架化などを検証する交通シミュレーション調査を行い、結果を市に示す考え。
大和西大寺駅周辺の渋滞解消について、県は2年度予算編成から政府に最重点項目として要望してきた。一方、県と市、近鉄の3者協議会は5年に2回開かれて以降は開催されていない。
県は高架化によって、「開かずの踏切」が解消されて交通の安全性と利便性が確保されるほか、高架化に伴う周辺道路の整備で県や市のさらなる発展につながる|などと説明。その上で、交通シミュレーション調査をして、高架化や周辺道路の整備について効果を検証するとしている。
山下知事は会見で「高架化の必要性はあると考えているが、市に理解してもらえないとできない。調査をしてデータを市に示した上で議論したい。高架化だけでなく、(周辺整備で)駅北側が劇的に変わることも示したい」と話した。