奈良市クリーンセンター策定委 七条町など3カ所を答申
奈良市が進める新ごみ処理施設「クリーンセンター」の建設計画で候補地選定を進めてきた同市クリーンセンター建設計画策定委員会(委員長・中川幾郎帝塚山大名誉教授)は3日、仲川げん市長に、七条町などの3カ所が建設に適しているとする答申を行った。
策定委は5月の会合で、候補となっていた7カ所について、建設・維持コストなどの観点から評価を実施。このうち、点数が高かった七条町(505点)▽北之庄町(456点)▽大和田町(453点)-の3カ所について、中川委員長は災害リスクや市議会が採択した七条町での建設に反対する請願も考慮して適していると判断したと答申した。
答申後に記者会見した中川委員長は3カ所に絞ったことについて、他に検討した4カ所との差が大きかったと説明した。また「巨額の投資を伴う公共財と呼んでもいい施設の事業だ。行政のみでできる事業ではなく、議会の同意がなければ前に進まない」と述べ、市議会での議論を期待した。
同センター建設を巡っては、市が七条町を候補地に上げたことに市議会が反発し、策定委が事実上選定作業をやり直した経過がある。仲川市長は「現在の処理施設の老朽化が進むなど事態の解決は目前の課題だ」と述べ、6月議会での議論を求めた。今夏に市長・市議選が行われることについて「だれが市長や市議になっても、目を背けられない課題だ。責任を持って議論する必要がある」と話した。