開庁時間短縮、県内で広がる 奈良市に続き生駒・橿原市 働き方改革
職員の働き方改革の一環で、来庁者に対応する開庁時間を縮める自治体が奈良県内でも増えている。生駒市が9月1日から、橿原市では試行的に7月1日から、現在の「午前8時半~午後5時15分」を「午前9時~午後4時半」に変更。奈良市でも2月から、「午前8時半~午後5時15分」を「午前9時~午後5時」としており、こうした動きがさらに広がるのか注目される。
これまで各市では、職員の就業時間と開庁時間が同じだったため、開庁までの準備や閉庁後の後片付けなどで時間外勤務が生じていた。短縮によって改善するとともに、業務の効率化を図る。
生駒市で対象となるのは市役所のほか、市民活動推進センター、こども家庭センター、セラビーいこまにある健康課と、北コミュニティセンターや南コミュニティセンター、図書会館、鹿ノ台ふれあいホールの各市民サービスコーナー。昨年9~10月、市役所の市民課を訪れた人の約90%が、午前9時~午後4時半の時間帯だったことから導入に踏み切った。
開庁時間の短縮とともに、行政手続きのオンライン化を進め、市役所に行かなくてもできる手続きを拡充するとしている。すでに住民票の写しなどをコンビニで交付し、転出届などをオンライン化。7月からは市民課や課税課で交付する除籍謄本や納税証明書などの証明書についてマイナンバーカードを利用したオンライン申請を開始する予定。交付手数料や郵送代はクレジットカードやスマートフォン決済サービス「Pay Pay(ペイペイ)」で決済できるようにし、市役所に行かなくても手続きを可能にする。
小紫雅史市長は「(開庁時間を)短くすることでご迷惑をかけるところもあるが、デジタル化を組み合わせることでご理解をいただきたい」と話した。
また、橿原市で対象となるのは、市役所分庁舎「ミグランス」にある市民窓口課をはじめ年金や福祉、子育てなどの窓口業務。今年度中は試行期間とし、従来の時間も受け付けるが、利用状況をみて来年度以降に完全な形での実施を検討するとしている。市によると、短縮される朝夕の時間帯の利用者は全体の1割程度という。
一方、山間部を含む県内のある自治体では、従来から朝夕の来庁者が少ないといい、今後の開庁時間について「住民の利用状況や他の自治体の動向もみて判断したい」とした。