「身近な戦争被害知って」香芝市立二上小で平和学習 軍服や寄せ書き展示
今年が戦後80年の節目となることを受け、NPO法人「平和のための香芝戦争展」が、香芝市立二上小で平和学習を開催した。6年生約100人が、戦時中に同校に通っていた巽勝さん(87)と上村善一さん(88)から当時の体験を聞くなどした。

児童らに戦争体験を語る巽勝さん(中央)と上村善一さん(左)=香芝市
巽さんは、校庭で兵隊がテントを張って駐屯していたことや、児童らは本土決戦に向けて竹やりで敵兵を突く訓練をしていたことを話し、「田んぼのあぜ道で遊んでいて空襲警報に気づかず、慌てて側溝に隠れて機銃掃射から身を守った」などと振り返った。上村さんは「寝ているときもご飯のときも、昼夜問わず空襲警報が鳴り響くと、あわてて防空頭巾をかぶって避難した」と語った。
巽さんと上村さんは終戦から2年たった昭和22年4月、同級生が不発弾と知らず持ち帰った金属の棒が爆発し、5~11歳3人が即死したことなども説明。「こんな小さな町であっても戦争の犠牲になった人たちがいることを知ってもらい、いま世界で起きている紛争地で怯えながら暮らす人々のことを思いやってほしい」と呼びかけた。

出征する兵士への寄せ書きを眺める子供たち
教室では、当時の軍服や出征する兵士への寄せ書きも展示。男児(12)は「今まで戦争というと広島や沖縄、長崎しか知らなかった。身近で小さな子たちが被害にあっていることを知り、自分たちが生きていることを大事にしようと思った」と感想を話した。