踏切7カ所に点字ブロック設置 県、死亡事故受け安全対策
令和4年に大和郡山市の踏切で目の不自由な女性が電車と接触し死亡した事故を受け、県は同市など7カ所の踏切道に安全対策の点字ブロックを設置した。踏切内にある点字ブロックは全国的にも少ないという。県内で事故後に設置されたのは計15カ所になった。
7カ所は、香芝市下田西の近鉄大阪線▽桜井市谷地のJR桜井線▽葛城市長尾の近鉄南大阪線▽大和郡山市北郡山町の近鉄橿原線▽大和郡山市南郡山町の近鉄橿原線▽大和郡山市高田町のJR関西線▽河合町池部の近鉄田原本線|の各踏切となっている。
4年4月に女性が電車にはねられる事故が発生した大和郡山市の近鉄橿原線郡山~筒井間の踏切内には点字ブロックはなかった。このため、同市が同年6月に同市の踏切内に設けたのを皮切りに、国や各市がこれまで奈良市や橿原市など8カ所に設置していた。
一方、県は5年から今年5月にかけ、高齢者や障害者らの移動が多い「特定道路」のうち、踏切道改良促進法で「改良すべき踏切道」に指定された踏切に点字ブロックを設置した。
国は「道路の移動等円滑化に関するガイドライン」を改定し、踏切道での安全対策を盛り込んでいる。県内では、踏切は約600カ所あるとされ、点字ブロックのない踏切も多い。
県道路マネジメント課の担当者は「今回、事故を未然に防ぐために設置できたことはよかった。今後も必要性について検討していきたい」と話している。