「紙おむつのサブスク」県内で広がる 香芝市は9月から 来春には寝具も
香芝市は9月1日から、市立保育所など12施設で紙おむつとおしりふきを、各施設に常備できるよう希望する保護者と事業者が契約する制度を始める。月ごとの定額制で、どれだけ使用しても同額となる。こうした制度は「紙おむつのサブスク」と呼ばれ、導入する自治体が増えている。県内では奈良市や天理市、橿原市などがすでに実施しており、広がりをみせている。(張英壽)
香芝市の対象となる施設は、市立保育所5施設のほか、市立認定こども園3施設、市立幼稚園4施設。これまで紙おむつとおしりふきは保護者が子供を送り迎えする際に施設に預け、施設で使用。ストックが少なくなると、施設側が保護者に伝え、保護者が再度持参する必要があった。
市はこうした保護者の負担を軽減するために、サブスクの導入を決定。9月1日から、希望する保護者が事業者と直接、契約して施設に常備し、月ごとの定額制で運用する方式にする。保護者が施設に持ってくる手間がなくなるほか、定額制のため使用量にかかわらず同じ額となる。
また来年4月1日からは、市立保育所と市立認定こども園で子供が昼寝する際に用いられている寝具も、希望する保護者が事業者と契約して施設に常備する方式にする。現在は寝具も保護者が施設に持ち寄るが、1週間に1回、洗濯のために持ち帰っているという。保護者による子供の送り迎えは自転車が多く、市保育幼稚園課の担当者は「寝具や紙おむつといった大きい荷物を運ばなくてよくなり、子供のケアに集中できるようになるのでは」と話している。
いずれも事業者や金額は未定。同様の取り組みは、奈良市が市立保育園と市立認定こども園で0~2歳児と年齢を限定して実施。橿原市は市立こども園、天理市は市立保育所と市立認定こども園で導入している。橿原市は紙おむつとおしりふき、寝具、ほかの2市は紙おむつとおしりふきが対象になっている。
一方、宇陀市は0~1歳児は全額公費で負担、2歳児では半額を公費負担している。3歳以上は全額保護者の自費。紙おむつとおしりふきで、対象施設は市立と私立の保育園、市立認定こども園となっている。三宅町も町立こども園と私立保育所で紙おむつとおしりふきを全額公費で負担している。
また生駒市、大和郡山市はサブスク導入に向けて検討している。