「孤立化する子供をサポートし、高齢者らに生きがいを」 県、こども食堂開設支援
子供に無料や低額で食事を提供する「こども食堂」の活動を広げようと奈良県は、新たに食堂を開設するために必要な機器や家具などの購入費用を支援する制度を始め、希望する団体を募集している。県内でこども食堂は全小学校区の半分以上で設置されており、県ではさらなる設置を目指す。
県によると、県内ではこども食堂は平成28年度末は12市町の19カ所だったが、今年5月末は28市町村の178カ所に増加。県内の全小学校区に対する設置率は、平成28年度末の8・5%(201小学校区中17校区)から、今年5月末には56・7%(187校区中106校区)まで増えた。県は子供にとって身近な居場所となるこども食堂をさらに増やすため開設を支援することにした。
補助の対象は、概ね2カ月に1回以上続けて開催する新設のこども食堂。開設のために必要な業務用調理機器や家具、消耗品などの購入を20万円を上限に補助する。未設置の小学校区への開設は30万円が上限。補助は20件程度を想定しており、先着順としている。財源は企業版ふるさと納税を活用する。
山下真知事は定例記者会見で「こども食堂はさまざまな事情で孤立化する子供をサポートし、高齢者らの生きがいづくりにもなるなど良い効果が期待できるので、増やすための力になれば」と話した。
申請についての問い合わせは、県こども家庭課(0742・27・8678)。