路線価 17年連続下落 奈良市内など上昇地点も
1日付で公表された令和7年分の県内の路線価は、平均変動率が前年比マイナス1・0%となり、17年連続の下落となった。一方、インバウンド(外国人観光客)の影響もあり奈良市の奈良近鉄ビル前などは上昇した。

県内最高路線価の奈良近鉄ビル前の大宮通り=奈良市
路線価は道路に面した1平方㍍当たりの土地の評価額。その年の1日1日を評価時点とし、1年間の地価変動などを考慮して評価している。
今回、税務署ごとの最高路線価は奈良と葛城で上昇し、桜井と吉野が下落した。県内の最高路線価は、奈良税務署管内の奈良近鉄ビル前の大宮通りで87万円。変動率はプラス10・1%で、3年連続で上昇した。インバウンドの効果が顕著で、ホテルや飲食店の需要が高まるなどし、地価の上昇幅が広がっている。
葛城税務署管内では、近鉄大和八木駅前南通り(橿原市内膳町)が6・5%上昇し、33万円。3年連続の上昇となった。主要駅前の商業地域としての潜在力が高いことなどが原因という。
桜井税務署管内は、近鉄桜井駅前の桜井駅北口線(桜井市川合)が10・5万円で、横ばいから4・5%のマイナスに転じた。人口減少や高齢化の影響のほか、幹線道路沿いの商業施設に人が流出し、需要が弱含みとみられる。
吉野税務署管内では、県道平畑運動公園線(大淀町下渕)が3・4万円で、2・9%の下落。近鉄下市口駅周辺は商業地域だが、新規出店の動きがほとんど見られないなど衰退傾向の状況という。