「被災地の東北に心を寄せるきっかけに」天理参考館でこけし展 8日まで

各地域の特色を表したこけしが並ぶ=天理市
天理大付属天理参考館(天理市)で、豊かな森林資源を有する東北地方を代表する木の郷土玩具「こけし」を紹介する企画展が開催されている。東日本大震災から14年が経つ中、東北地方の復興を願って企画。担当者は「被災地に心を寄せるきっかけになれば」と話している。9月8日まで。
こけしは江戸時代に温泉で療養する湯治の文化が定着したことで、その土産物として作られるようになったのが起源とされる。主な産地は東北6県に分布しており、産地ごとに頭部や胴体の模様など伝統的な描き方を継承してきた。
今回は、そのうち宮城県の遠刈田(とおがった)と福島県の土湯、中ノ沢で作られた約140点を展示している。
名工・佐藤直助、佐藤松之進らの作品に代表される遠刈田のこけしは、三日月形の切れ長の目や、なで肩で細身の体型、胴部分に彩られた菊や梅の模様が特徴。中ノ沢のこけしは、大きく見開いた目と鮮やかなボタンやキキョウの模様が描かれた胴部分が印象的だ。
多くは昭和50年代にコレクターから寄贈されたものといい、会場ではそれぞれのこけしが見比べられるように工夫して並べられている。
幡鎌真理学芸員は「こけしは『手足のない木の玩具人形』とひとくくりにされがちだが、地域によってその表情や特徴もさまざま。展示が、今なお復興が進まない東北地方に関心を持ってもらうきっかけとなってほしい」と話している。
2日休館。8日午後0時半からは、幡鎌学芸員によるマンデートーク「師匠と弟子 こけしを徹底比較して〝見る〟」も開催。入館料大人500円、小中高生300円。問い合わせは同館(0743・63・8414)。


































