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万葉時代の精神世界に迫る 万葉文化館でシンポジウム 明日香村


7世紀前半から8世紀中頃にかけて詠まれた「万葉集」の時代について、民俗学や宗教学など幅広い視点から研究する「万葉古代学」の公開シンポジウムが8月30日、明日香村の県立万葉文化館で開かれた。「神と仏がやどる場所~山と水に寄せる古代信仰」をテーマに研究成果が披露された。

古代の信仰をテーマに行われたシンポジウム=明日香村の県立万葉文化館

橋本裕行・明治大兼任講師は考古学の立場から、川上村の丹生川上(にうかわかみ)神社上社旧境内地の「宮の平(たいら)遺跡」について解説。8~9世紀の石を並べた祭祀(さいし)遺構が出土し、同じ場所から12世紀末以降の基壇跡が複数見つかり、社殿を何度も建て替えたことが分かったという。その上で「約1250年間も同じ場所で信仰が続けられたことに驚いた。社殿は吉野川や象徴的な山を意識した特別な配置で、古代からの深い信仰心がうかがえる」と話した。
三舟隆之・立教大特任教授は、水の信仰と寺院について説明。熊本県や石川県には同じ名前の「浄水寺跡」があり、清らかな水が湧き出す場所に建てられたことから「水との関わりが深い。仏と神は、現在では別のものと考えられがちだが、水という観点からみると共通点が多い」と指摘した。
同館の井上さやか企画・研究係長は「幅広い分野の研究を通じて、万葉集をめぐる新たな知見が得られた」と共同研究の意義を語った。

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