吉野の魅力を四季で感じて 奈良交通と吉野町の若手職員が研修

桜の木付近の土壌改良作業を体験する新人社員ら=吉野町
吉野町の観光情報を発信する一般社団法人「吉野ビジターズビューロー」は、奈良交通と町の若手人材を対象に、吉野の桜の保全活動などに取り組む研修を開催した。多くの観光客が押し寄せる桜のシーズン以外の吉野の魅力を知ってもらい、年間を通じた関係人口を増やす狙いがある。
同法人は観光庁の支援を受け、町の歴史や文化、自然を題材にした企業向け研修プログラムを令和5年から立ち上げている。
今回は9月9日、10日に開催された。町の若手職員7人と奈良交通の新人社員7人の計14人が、金峯山寺の僧侶とともに修行体験に参加したほか、吉野山の中千本に位置する約二千五百平方㍍の山の斜面で桜の保全活動に取り組んだ。職員や社員らは3人の桜守の指導のもと、桜の木の根元近くに穴を掘り、間伐材や炭、落ち葉などを入れる土壌改良作業を行った。
奈良交通乗合事業部の今西賢さん(25)はスコップを手に汗を流しながら、「こうした地道な作業が景観を守っていることを初めて知った。機会があれば、桜の保全やその魅力についてお客さんに話したい」と話した。町職員の中山実樹さん(26)も「町外在住なので、町を知るよいきっかけとなった。実際に見て、歩いて、触れてみると自然とともに生きている町のことを肌で感じることができた」と笑顔を見せた。
同法人によると、町を訪れる観光客数は年間で約85万人で、このうち約4割が桜の開花シーズンに集中している。近年は紅葉シーズンも徐々に増えているが、それでも繁忙期と閑散期の差が課題となっている。
同法人の山本智登事務局長は「桜の季節だけではない吉野の魅力を知ってもらえる機会となり、町の関係人口を増やすきっかけにもなる」と話しており、今後はさらに幅広い企業を対象に研修を実施していく予定だ。


































