大和高田「太神宮の常夜灯」79年ぶり復元 昭和南海地震で倒壊、笠を新調

復元された太神宮の常夜灯に明かりをともす住民=大和高田市
大和高田市勝目(かじめ)地区で、住民が明かりをともして大切にしてきた「太神宮(だいじんぐう)の常夜灯(石灯籠)」が79年ぶりに元の形に修復された。地元自治会が昭和21年の昭和南海地震で破損した笠(かさ)の部分を新調。自治会は「常夜灯が今後も地区をともし続けてほしい」と願っている。
市発行の「大和高田市常夜灯記載文字調査記録」(平成10年)によると、勝目地区の常夜灯は江戸時代後期の嘉永3(1850)年に建立。地元自治会によると、昭和南海地震で倒壊し、笠が破損してそばに放置され、火袋の下にある部分を笠代わりにしていた。住民らは約40年前から日暮れとともに、交代でろうそくをともし、地域の平安無事を祈ってきた。かつて協力していた10軒ほどからは減ったが、今も7軒が交代で取り組んでいる。
こうした中、今夏、自治会の年配者から復元を望む声があがり、自治会費約11万円を捻出して笠を新調した。地元自治会の森田全紀(まさのり)会長(74)は「常夜灯はシンボル的な存在。本来あるべき姿に戻ったと安心している」と話す。
市教育委員会によると、太神宮の石灯籠は市内に50基近く設けられている。太神宮とは伊勢神宮(三重県伊勢市)を指し、伊勢参りに行かずとも同神宮にお祈りできるとして住民たちが訪れたという。


































