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上牧町、変更申請せず工事、古墳を毀損 町長「痛恨の極み」と謝罪


石室の一部とみられる石が見つかった2号擁壁=上牧町

 

誤って取り出された石

上牧町は4日、史跡上牧久渡古墳群の整備工事で、文化財保護法に基づく計画変更申請を行わずに施工方法を変更し、これまで知られていなかった古墳の一部を毀損したと発表した。阪本正人町長は「文化財保護の信頼に関わる問題で痛恨の極み。町をあげて信頼回復に臨みたい」と頭を下げた。

頭を下げる阪本正人町長(左から2人目)ら

上牧久渡古墳群は、古墳時代初期から飛鳥時代に築造された円墳や前方後円墳など8基の古墳からなり、平成27年10月に国の史跡に指定された。町は古墳群に親しんでもらおうと令和12年度のオープンを目指し、公園の整備を進めている。
問題があったのは、昨年12月から工事中の西側の4号擁壁と南側の2号擁壁の2カ所。盛土で施工方法の承認を受けていたが、重機の作業スペースが確保できないとして未承認のまま土を削ったという。
今年10月3日には作業中の施工業者が2号擁壁から、調査段階で発見されなかった古墳の横穴式石室の一部と思われる直径1~1・3㍍ほどの石6つを発見。文化財担当の職員が立ち会っておらず、他の職員が石を取り出して保管するよう誤った指示をし、毀損した。町によると職員の認識の甘さが原因という。
同町は今月8日に近隣住民に向けた説明会を開く。文化庁と協議し、指示を受けながら石室の一部を埋め戻すとともに、整備工事を進めるとしている。

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