【近畿の警察官】県警少年課 岩森祐二警部補「悪いやつは放置できない」

少年らの心情を踏まえた捜査に定評がある県警の岩森祐二警部補=奈良市の県警本部
近畿2府4県の優秀な警察官をたたえる第139回「近畿の警察官」(産経新聞社提唱、県信用金庫協会など協賛)に県警生活安全部少年課少年事件第1係(少年事件特別捜査隊)の岩森祐二警部補(47)が選ばれた。勤続22年余りのうち16年以上を生安部門で過ごし、数々の事件解決に尽力。「悪いやつは放置できない。容疑者を捕まえると被害者に喜んでもらえる」との思いで、同課事件担当係長として捜査に当たる。表彰式は27日、大阪・上本町の大阪国際交流センターで行われる。(西川博明、写真も)
「賞をもらえると思わなかった。光栄。上司や同僚ら周りのおかげです」。謙虚な口調で喜びを語る。
三重県名張市出身。龍谷大(京都市)で経済を学んだ。企業の正社員雇用が絞られた「就職氷河期世代」で「思うような就職先が見つからなかった」と就職浪人を約1年間経験。警察官を志す友人の影響で自身も受験。24歳だった平成15年4月、県警に採用された。
今や天職となった警察官人生の大半を、希望部署の生安畑で過ごす。「少年に携わる事件をやりたい」と思うようになったのは、初任地の宇陀署地域課で勤務していた頃。少年らの補導などに関わった経験からだ。
非行少年らに「更生してもらいたいという、私たち警察官の思いを伝えるのが難しい」とじくじたる思いもある。再犯を繰り返すケースもあり、原因を「家庭環境や友人関係の影響がある」と分析。少年らの気持ちも踏まえた捜査や対応が肝要と心掛ける。
一方で、担当した非行少年らが更生したという話を聞くと「やりがいを感じる」。これまで担当した事件で深く心に残っているのも、少年が関わった桜井署管内の重過失致死事件。川遊びをしていた弟が投げた銛(もり)が兄の頭に刺さり、亡くなった。「心に深い傷をもった少年にどう向き合うかも学んだ」と振り返る。
殺人や放火といった凶悪事件などを担当する刑事部とは少し異なり、生安部の仕事には、刑法以外の法律・条例も踏まえ「事件がどう抵触するのかを考え、摘発する」という面もあり、法律の勉強も欠かせない。
近年力を入れている捜査は、インターネット上でのサイバーパトロール。今回の表彰理由のひとつだ。
パソコンでSNS投稿を見回り、犯罪に巻き込まれている可能性がある県内の未成年を見つけると「(被害に遭うのを)止めたらないかんと思う」。各署と連携し、事件摘発に動く。SNSでパパ活を募集していた未成年に買春行為を行った容疑者16人を摘発するなどの実績をあげた。
定年を見据え、残りの警察官人生では後輩らの育成に注力したいと語る。「自分がやってきたことを少しでも若い警察官に引き継ぎ、尻込みせずに事件を検挙していってほしい」。穏やかな口調ながらも、悪を見逃さない熱血漢である。


































