古民家を移住体験施設に 近大生の改修案に活性化期待 吉野町

移住体験施設に生まれ変わる永井邸(後方)と楠部のどかさん=吉野町
吉野町が所有する古民家「永井邸」(同町上市)を移住体験施設に再生するデザインコンペで、近畿大学建築学科4年の楠部のどかさん(22)の案が選ばれた。町民と移住者らが集う場を意識したという楠部さんは「町の活性化につなげてもらえたらうれしい」と期待を寄せる。案をもとに改修が行われる予定。(木村郁子)
旧永井邸は、約130年前の建築とされる木造2階建てで延べ床面積約120平方㍍。傾斜地を利用した「吉野建」と呼ばれる独特の建築様式が特徴だ。かつては事務所として使われ、すでに改装されている。
事務所の契約終了に伴い、町は関係人口の創出や移住・定住促進を目的とした「移住体験施設」としての整備を計画。包括連携協定を締結する近畿大学に、学生らの発想を生かしたデザイン案を依頼。「吉野の『木』『人』『自然』に包まれて」をテーマに、アイデアを募集した。現地説明会や見学会を経て、6件の改修案が寄せられた。

庭を囲むように緩やかな階段状の屋根を設けた模型
昨年9月の公開審査では、学生がスライドを用いてデザインの狙いなどをプレゼンテーション。中井章太町長らが審査した。
緩やかな階段状の屋根で星空を眺められる演出や、キッチンにカウンターバーを設けて町民と移住者らが集う場を創出するなど工夫を凝らした楠部さんのデザイン「渡」に決まった。
中井町長は「コンパクトなキッチンカウンターは、町民らが町の魅力を伝える場にもなり得る。発想力や図面の多さにも熱量を感じた」と説明した。模型や細部にわたる計7枚のデザイン案を提出し、プレゼンに挑んだ楠部さんは「実際の建物まで手掛けられるデザインコンペはめったにない」と喜んだ。
町内に設計工房「校倉」を構える一級建築士の皆地良祐さんが、耐震性などを考慮し、案に沿って改修。住民からの寄付金1500万円を改修費に充てる。


































