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佐保川ホタルの一生 絵本に 「守る会」代表・中川さんが出版


奈良市ボランティアセンターで「佐保川ホタルを守る会」の活動報告をする中川英幸さん(同センター提供)

ホタルが生息していることを知ってほしい-。「佐保川ホタルを守る会」(奈良市)代表の中川英幸さん(72)がホタルの一生を記した絵本を出版した。優しいタッチの色鉛筆で描かれた絵本は、ホタルの生態や佐保川の環境を守る活動を紹介している。中川さんは「佐保川はホタルが飛び交うすてきな川であることが地域の誇り。ぜひ絵本を手に取ってもらえたら」と話している。(木村郁子)
絵本は120冊限定でタイトルは「わたしたちのたまご そだちますように」。佐保川の風景をはじめ、草にとまって光るホタル、幼虫の餌となる巻き貝のカワニナ、幼虫からさなぎになって羽化するまでを記した。生息に適した環境づくりや川の清掃活動の様子などが丹念に描かれている。

絵本「わたしたちのたまご そだちますように」の表紙

大和川水系の佐保川は、奈良市や大和郡山市を流れる1級河川。春日山原始林の石切峠付近が源流で、奈良市街北部を西に流れる。流路延長は約19㌔で、中流の堤防の桜並木が有名だ。
5年前、佐保地区自治連合会の副会長として活動していた中川さんは、ホタルが生息する佐保川に魅せられた。東大寺や興福寺周辺の優れた風景を表す室町時代の「南都八景」に「佐保川蛍」が記されていたことを知り、水圏生態学を専門とする奈良女子大学理学部の遊佐陽一教授から、ホタルの生息に適した環境づくりの指導を受けた。
その後、佐保川に多くのホタルが舞う風景を復活させようと有志の仲間と「佐保川ホタルを守る会」を発足。小学校で学習会を開催し、川の中のごみを拾うなど清掃活動も行う。生息調査では、ホタルが最も飛び交う6月上旬の雨上がりの蒸し暑い夜、今在家町の石橋から近鉄新大宮駅近くの新二条橋までの約3・5㌔を川沿いに歩き、若草橋や奈良女子大など約10カ所をスポット別に調べる。
絵本制作を志したのは、活動を通して佐保川に生息するホタルを知らない人が多いことに気付き「ホタルを守ることは自然環境を守ることにつながる。きっかけ作りとしたい」との思いから。3年前から公民館の「色えんぴつ画教室」に通い、手描きの絵を完成させた。絵本の文言などは教授の指示を仰いだ。
絵本はA4判29㌻。地域の小学校や市内の県立図書情報館や市立図書館、若草公民館などで閲覧できる。

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