纒向遺跡から出土した埴輪、墨書土器が一堂に 桜井市埋文センターで特別展
古墳~奈良時代にかけて纒向(まきむく)遺跡で出土した土器や埴輪などを集めた特別展「『纒向』その後」が桜井市立埋蔵文化財センターで開かれている。3世紀代にわが国の首都として大規模集落がつくられた後の纒向遺跡の姿を考古資料や写真パネルで紹介している。12月6日まで。
纒向遺跡では昭和40年代からこれまで、180回以上の発掘調査が行われた。3世紀代に初期ヤマト政権の宮殿とみられる大型建物や纒向大溝と呼ばれる運河、古墳出現期の大型墳墓などがつくられたことが明らかになっている。
4世紀には垂仁、景行天皇の宮が纒向遺跡に置かれたとされ、発掘調査でも遺跡の中心部で「首長居館」を取り巻いた可能性がある大型の区画溝が見つかっている。
展示ではこの溝から出土した土器や、同様に遺跡中心部で見つかった5世紀代の首長居館に関連するとみられる石貼り溝から出土した土器も並ぶ。堂ノ後古墳(5世紀)出土の鶏形埴輪、トリイノ前古墳(5~6世紀)出土の家形埴輪や石見型埴輪、勝山東古墳(6世紀)出土の石見型木製品なども見ることができる。
飛鳥~奈良時代の遺物では、大市墓とも呼ばれる箸墓古墳との関連をうかがわせる「市」の文字のある墨書土器や、宮内省関連施設の存在をうかがわせる「宮内」と書かれた墨書土器も展示されている。
29日午後1時からは、桜井駅南側の市まほろばセンター多目的ホールで記念講演会「検討 その後の纒向遺跡」を開催。辰巳和弘・元同志社大教授らが講演する。問い合わせは桜井市立埋蔵文化財センター(☎0744・42・6005)。ホームページはhttp://www.sakurai-maibun.nara.jp/
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