薬師寺に福井から人力で赤米届いた 1300年前を再現
1300年前に赤米が越前から奈良・平城京に人力で届けられた様子を再現しようと、福井県越前市南中山地区の住民らが20日、自転車で奈良市までの約200キロの道のりを走破。自分たちで育てた赤米を運び、薬師寺に奉納した。
同地区の赤米については、平城京の長屋王邸跡から和銅8(715)年に「赤米一石」を届けたことを示す荷札木簡が出土しており、越前市立南中山小学校の5年生らが毎年、越前和紙を通じた縁などもある薬師寺に奉納。今年はちょうど1300年となるため、「赤米おくり千三百年」プロジェクトとして大々的に取り組むことになった。
自転車チームは10人が19日早朝、赤米3キロずつを持ち地元を出発。夜は滋賀県内に泊まり、この日薬師寺に到着した。さらに、南中山小学校の5年生30人と住民らも赤米60キロとともにバスで同寺を訪れた。
赤米は伽藍で輿に載せられて金堂内へ運ばれると、本尊・薬師如来坐像の前へ。子供たちが奉納について説明した後、僧侶らによって法要が営まれた。
実行委員長の藤本正晃さんは「まるで1300年前にさかのぼったような気持ち。めったにないようなことが体験できました」と笑顔で話していた。
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