未盗掘の斑鳩・春日古墳の秘密探る 調査検討委が初会合
藤ノ木古墳(6世紀後半)と同時期に築造され、未盗掘とみられる春日古墳(斑鳩町法隆寺西)の第1回調査検討委員会が20日、同町役場で開かれ、委員長に橿原考古学研究所の菅谷文則所長を選出した。来年1~3月中に開く次回の委員会で、初の本格調査に着手するかを協議する。
春日古墳は藤ノ木古墳の北東約150メートルに位置。墳丘には呼称の由来とされる春日の神をまつる社がある。藤ノ木古墳に近接し、「重要な古墳」と位置づけられてきたが、個人宅敷地内にあるため、本格調査は行われていなかった。
平成23年度に同町教委が実施した3次元レーザー測量調査で直径約30メートル、高さ約6メートルの円墳と推定。墳丘の南側斜面には、横穴式石室の羨道部の側壁とみられる花崗岩の大型石材が2個露出している。
重要な文化財として将来的な保存のあり方も含め検討しようと、今年3月の町議会で検討委設置の条例案を可決。この日は、敷地所有者の了解を得て委員らが現地を視察し、概要を改めて確認した。委員の前園実知雄・奈良芸術短期大教授は「墳丘の全体的な残り具合はいい。今後の調査次第では、なぜこの地に藤ノ木古墳があるのかを考える糸口になる」と話した。
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