奈良ホテルスイート宿泊券、兜…、奈良市のふるさと納税 返礼品効果で15倍
奈良市は、ふるさと納税の返礼品に奈良一刀彫の五月人形や鹿の角で作られた刀置き、奈良ホテルのスイートルーム宿泊券などを追加した。今年度の目標寄付額を3億円とする同市では今年、新たな返礼品を次々と投入しており、11月26日現在で、昨年1年間の15倍以上の8963万3千円の申し込みが来ている。
10月に新たに追加されたのは16品目。100万円以上の寄付への返礼品には、端午の節句に飾るかぶとを奈良一刀彫の職人が丁寧に彫って彩色を施した五月人形、1泊30万円の奈良ホテルスイートルームペア宿泊券を追加。30万円以上には、秋の恒例行事「鹿の角きり」で切り落とされた鹿の角を加工した刀置きなど、市販されていない奈良ならではの返礼品が追加された。
また、昨年9月に市の観光大使に就任した女優のいとうまい子さんが同市田原地区で作った「おいっとう米」を来年度から返礼品に加えることも決定。市独自の返礼品を増やすことで、他県からの寄付増加につなげたい考えだ。
市納税課によると、昨年度の奈良市への寄付は361件、約590万円。市はこれまで、「特典を競い合ってお金をかけるのは本末転倒」として市内の仏像写真や美術館入場券などを贈っていたが昨年度、市民の市外への寄付が約1億3千万円にも上ったことが判明し「多額の税金が流出している」と返礼品の魅力アップに方向転換。その結果、今年度は11月26日までに3420件、8963万3千円で、すでに昨年を大きく上回る成果を上げている。
同課は「今後も魅力ある奈良の品を追加していきたい」としている。
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