いつまでも青春歌う 還暦3人グループ、南紀おやじバンドコンテスト出場
40年越しに再結成されたメンバー全員が還暦越えのバンド「Woo(ウー)」が、オリジナル曲を収録したCDを初めて自主制作、6日に和歌山県で開かれる「第9回南紀おやじバンドコンテスト」に優勝を目指して初出場する。全員が集まれる機会は年数回というメンバーだが、「若いころと同じように、いつまでも楽しく音楽を続けたい」と意気込んでいる。
■チェリッシュに憧れて…、「ヤンタン」でも披露
Wooは奈良市在住のリーダーでボーカル、ギターの景山好庸さん(63)と、リードギターの長井清さん(63)、紅一点のボーカル、中山利野(としの)さん(62)の3人で構成するフォークバンド。昭和48年、大阪市立大学のフォークソングクラブに在籍していた2回生同士で、「チェリッシュに憧れて」結成された。
近畿圏の大学での学園祭や、イベントなどに出演。アマチュアバンドが出演した毎日放送のラジオ番組「MBSヤングタウン」のオーディションを突破、オリジナルの代表曲「明日雨降り止んだなら」を披露したこともあったという。
大学を卒業し、就職した後も2年間は活動を続けたが、大阪で高校教師をしていた中山さんが結婚し、名古屋に引っ越したのを機に休止。「『また、3人で組もう』と約束はしたけれど、再結成できるとは考えていなかった」と景山さんは振り返る。
■「また、歌いたい」、40年越しの再結成
大阪で地銀に務めていた景山さんは40代から、公務員の長井さんは30代から、それぞれ仲間とバンドを組むなどして音楽活動を継続。3年前、還暦を迎えたのを機に、2人で「WooⅡ」として「Woo」時代のオリジナル曲を収録したCDを自主制作した。
ちょうど早期退職後、第2の人生を歩み始めた矢先。「学生時代の仲間で昔のサウンドを作りたい」と、2人は中山さんにも「また3人でやらないか」と声をかけた。介護の仕事を経て専業主婦になっていた中山さんも「私も歌いたい」と応じ3年前、40年越しの再結成が実現した。
だが、長年音楽から離れていた中山さんは昔のような声が出ず、「正直、難しいと思った」(景山さん)。だが、「一緒に歌えたことがうれしかった。一から練習し直して、また歌いたい」と、中山さんは1人カラオケやボイストレーニングでコツコツと練習。半年後、3人が集まったときには、学生時代の声に戻っていた。
■最高齢でも「気持ちはどのバンドより若い」
3人がそろうのは年数回。だが、それぞれ担当するパートの音声を抜いた練習用のCDを作り、個別練習を続けている。昨年には再結成を記念し、初めてオリジナルのフォークソング3曲と当時の流行曲3曲をカバーしたCDも自主制作した。
「60歳を過ぎても、若い頃と同じように楽しいことを続けられるのは喜び。声が出る限り、ギターを弾ける限り、音楽を続けたい」と景山さん。6日のコンテストに出場するバンドでは最高齢だが、「気持ちはどのバンドより若い」と、優勝を目指す。
「第9回南紀おやじバンドコンテスト」は6日、和歌山県上富田町の上富田文化会館で午後1時半に開演。入場無料。問い合わせは、同コンテスト実行委員会事務局(☎0739・47・5930)。
実行委員会のホームページはhttp://nanki-oyajiband.com/
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