田舎暮らしの魅力も 南部東部地域振興シンポ
紀伊半島豪雨災害の記憶を継承し、被災地の振興を考える「県南部東部地域振興シンポジウム」が3日、橿原市のかしはら万葉ホールで開かれ、約380人が参加した。
頻繁に人が訪れ、住み続けられる地域づくりを目指そうと県が主催し今年で4回目。冒頭、犠牲者の冥福を祈り黙禱をささげたあと、荒井正吾知事が「避難者がゼロになり、今は復旧復興から振興に向けたステージに入った。南部東部が元気になるよう力を尽くしたい」とあいさつした。
基調報告では、野迫川村北股地区の中本章区長(63)が、2年10カ月に及んだ避難生活を紹介。当初約60人が避難していた施設では、「寒い大会議室で毛布1枚にくるまって寝た」と厳しかった生活実態を明かした。
約2カ月後に移った仮設住宅では地区で30年間途絶えていた盆踊りを復活させ、駐車場に屋台を並べて踊った様子などを紹介。「盆踊りは今も地区で続いている。多くの支援に支えられながら、ここまで復興できた」と振り返った。
「奥大和で幸せな暮らしに出逢う」をテーマにしたパネルディスカッションも開かれ、南部東部地域に移住したパネリストらが、移住生活の魅力を紹介。17年前、大学卒業と同時に東京から黒滝村に移住し、同村森林組合で働く梶谷哲也さん(41)は、ヒノキの苗木の植樹や間伐を「やりがいのある気持ちいい仕事」とし、「若い移住者が多い中、村で子供を生み育て、生活し続けてもらえるようなサポート体制が重要」などと話した。
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