65歳以上の運転免許証3000件超え 割引サービスも追い風
自主的に運転免許証を返納する65歳以上の高齢者が今年、3千人を超えた。県警では市町村や民間事業者と連携し、タクシーやバス運賃を割り引くなどのさまざまなサービスを拡充しており、免許を手放すデメリットが減少していることも一因だ。だが、県内の高齢者による交通人身事故は全体の3割超、死亡事故は約4割を占めており、県警は交通事故の発生が例年多い今月、交通安全に注意するよう呼びかけている。
県警によると、65歳以上の高齢者による交通人身事故は、平成26年は1872件(全体の31・9%)で、高齢者が占める割合は3年連続で増加。死者数も、69・0%だった25年よりは下がったものの、46・7%と依然高くなっている。
一方で、県内の運転免許証保有者の23・1%は65歳以上となっており、高齢者の事故防止対策は急務。県警では24年から、運転免許証の自主返納事業を開始した。
これまでに市町村のほか、タクシー協会やバス、観光協会、商業施設、個人商店など、約170の事業者と自主返納に関する協定を締結。自主返納者には「運転経歴証明書」を交付(千円)し、タクシーやバス運賃のほか、寺社の拝観料や飲食代金、自動車抹消登録の手続き費などを割り引くさまざまな特典も用意した。
結果、24年は1147件だった自主返納の申請は、今年は約2・8倍の3220件(11月末時点)にまで増えている。
運転免許センター(橿原市)や各警察署の窓口では、運転に不安がある人や家族の相談にも対応。必要に応じ、専門医の紹介もしている。12月は例年、交通事故の発生が多い傾向にあり、県警交通企画課の担当者は「余裕を持って運転し、心配がある人は窓口に相談したり免許を返納したりしてほしい」と呼びかけている。
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