【高校ラグビー】天理がシード校・常翔学園破る 光った堅守
第95回全国高校ラグビー大会第3日は30日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で2回戦16試合が行われ、6度優勝の天理(奈良)が3大会ぶりの制覇を目指したシードの常翔学園(大阪第3)を5―3で破った。1月1日に3回戦8試合が行われる。
第3グラウンドのすべての音がなくなった後半29分。逆転を狙い、常翔学園のSO吉本が蹴った右中間40メートル付近からのPGはゴールをそれた。息を押し殺していた5千人の観衆からは安堵の声と悲鳴。程なくしてノーサイドの笛が鳴った。引き締まった試合は5-3で、ノーシードの天理がシード校を撃破した。
両チームとも堅守が光った。特に天理の低くて速いタックルは、前半16分からシンビン(一時退場)で1人少ない戦いを強いられた場面もしのいだ。松隈監督は「選手たちがよく我慢した。接点で負けなかったら、いい試合にはなると思っていた」とうなずいた。
一方、常翔学園の野上監督は「圧力が強かった。あの防御を打ち破る推進力がなかった」。1回戦で90点ゲームを演じた天理に対し、常翔学園は初戦。勢いに乗れていたかどうかも、勝敗に関係したかもしれない。
前半終了間際、値千金の逆転トライを挙げたWTB小川は「自分たちにスーパープレーヤーはいない。ひたむきにやるだけ」と話した。ゴールに飛び込む直前、相手をかわしたステップは、全体練習後の個人特訓で身につけた技術だった。
主将のSO林田は「次の試合も天理らしさを出したい」と謙虚。しかし、松隈監督はシード校を破った感想を聞かれて「うちが弱いとは思っていない」。胸に秘めた自信をのぞかせた。(鮫島敬三)
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