がんの在宅緩和ケアを学ぶ 2月13日に公開講座
がん患者が住み慣れた自宅で自分らしく療養できる「在宅緩和ケア」について知ってもらおうと県総合医療センター(奈良市)は2月13日、同市の学園前ホールで公開講座「がんになっても自分らしく過ごすために~在宅緩和ケアを始めよう~」を開く。
講座では、同センター腫瘍内科医長の小林真也氏が「治療医がすすめる!がん治療中から始める緩和ケア」、ホームホスピスひばりクリニック院長の森井正智氏が「在宅医が教える!在宅緩和ケアの現状と問題点」と題して講演するなど、専門家ら5人が「がんの在宅緩和ケア」の現状について説明する。
同センターは、「緩和ケアは、がん治療と並行して受ける心や体のつらさを和らげる医療。住み慣れた自宅で受けられることも知ってほしい」としている。当日は質問に答えるコーナーも設けられるという。
参加無料で、事前申し込み不要。問い合わせは同センター(☎0742・46・6001)。
がんの緩和ケア=終末期ではない、正しい理解を
「緩和ケアは終末期を対象としたもの、という誤った認識がある」。県保健予防課の担当者はこう指摘する。平成19年4月に施行された「がん対策基本法」では、がん患者の療養生活の質を向上させるため「緩和ケアの推進」が盛り込まれ、国は「終末期対象」という誤解を解こうと、普及啓発活動を強化している。
だが、緩和ケアについて「(治療の)最終手段」といったイメージを持つ人は依然多い。また、緩和ケアを導入する施設も不足しており、ほとんどの人は、住み慣れた自宅や緩和ケア病棟ではなく、一般病棟で亡くなるケースが多いとされる。
日本ホスピス緩和ケア協会によると、昨年11月現在で緩和ケア病棟は357病院(累計)、病床数は7184(同)にとどまっており、年々増加傾向にあるものの、がん患者全体数からみるとまだまだ少ない。
県の担当者は「がんと診断されたときから、緩和ケアは始まる」と指摘。「これから高齢化が進み、がん患者も多くなることが予想される。かかりつけ医の存在や家族の支援などがこれからの課題だが、在宅の緩和ケアもスムーズに行えるような態勢を整備していかなければならない」としている。
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