出所者更生へ雇用支援を 「社会で働けば自信」 奈良でセミナー
刑務所からの出所者を雇用して更生につなげようと、出所者の雇用を検討している民間事業者らを対象にした県主催のセミナー「社会復帰促進就労支援セミナー」が奈良市の県文化会館小ホールで開かれ、約110人が参加した。
出所者の再犯防止には「働く場」の確保が欠かせないが、受け皿が少ないのが現状。県内で出所者の就労支援に取り組む「協力雇用主」は約130あるが、実際に雇用している事業主はそこまで多くはないという。
セミナーでは、経営するガソリンスタンドでこれまで約130人の出所者を雇用してきた福岡県協力雇用主会会長の野口義弘さんが、「信じ続ければ答えてくれる」と題し講演。野口さんは「噓は言わない、会社の金をごまかさないという2点を守ってもらい、あとは失敗してもいいと少年たちを受け止めた」と振り返った。
また、協力雇用事業主の数は増え続けているが、まだまだ実際のマッチングは進んでいないとも指摘。「どういう大人と出会うかで子供の人生は変わる。特に少年たちは社会の中で働くことで自信がつき、更生につながる。うちのガソリンスタンドが生き残ってきたのは少年たちのおかげだ」と雇用支援の必要性を訴えた。
このほか、早稲田大学社会連携推進室招へい研究員の高野光司さんが「県における臨時職員雇用~定着支援の取組~」と題し講演。保護観察対象者を社会復帰につなげる訓練プログラムの作成や実践について話した。
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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)