道徳教育のあり方考える 広陵町でモラロジー講演会
道徳教育のあり方と今後の課題について考える「モラロジー教育講演会」が11日、広陵町のふるさと会館グリーンパレスで開かれ、県内の小中高校の教職員ら約140人が参加した。
モラロジーは「道徳」を意味する「モラル」と「学」を表す「ロジー」からなる学問名。近年学校でいじめや不登校などの問題が増える中、子供の人格形成に必要な教育のあり方を考えようと県モラロジー協議会が主催した。
この日は、公益財団法人モラロジー研究所(千葉県)の竹中信介研究助手(29)が「現代社会における倫理・道徳の動向」と題して研究発表。過去から受け継いだ伝統を尊重し、未来のために「良い原因の種まきをする」ことが「明るい未来を拓く道徳的な生き方になる」と主張した。
その後、学生の道徳教育に力を入れる麗澤大学の中山理学長(64)が「現代の道徳教育とこれからの展望」をテーマに講演。戦後、道徳教育が政治イデオロギーの道具となったことを指摘し、「生徒が自己の品性を高め、幸福をつかめるよう支援することが道徳教育の目的だ」と強調。価値観が多様化するグローバル社会を生き抜くため、必要な道徳心を養う重要性を訴えた。
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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)