高山第2工区の〝塩漬け土地〟 生駒市がURから購入へ
ニュータウン開発などの構想が頓挫し、手つかずのまま放置されてきた生駒市北部の「学研高山第2工区」(288ヘクタール)について、市は、都市再生機構(UR)が所有する約160ヘクタールの土地を取得する方針を固めた。19日開会の臨時市議会に関連議案を提案する。開発構想が二転三転した土地に市がどのような道筋をつけるか注目される。
第2工区は、奈良先端科学技術大学院大などが建つ第1工区(45ヘクタール)の北西側に位置。平成6年、URと県、市の3者が人口約2万3千人規模のニュータウン建設で合意したが、景気低迷などを理由に18年、事業の「白紙撤回」を掲げた山下真前市長が就任し、計画は中止に。その後、大学誘致などを目指すも実現せず、22年には県が事業から撤退。24年には市がリニア中央新幹線の新駅誘致を表明したが、先行きは見通せていない。
約20年もの間「塩漬け状態」となっている工区は現在、草木が生い茂った状態。一方、約6割を所有するURは経営改善策の一環として30年度末までに所有地を処分する必要があり26年3月、市へ土地譲渡を申し出ていた。市は「今年度中に土地取得の可否を判断する」とし、専門業者に土地の価格鑑定を委託している。
市が土地取得の方針を示したことで、民間事業者への土地の〝切り売り〟による乱開発などの懸念は薄れたが、工区の新たな青写真作成には困難が予想される。URの所有地は複数箇所に点在する上、工区の規模は市単独で事業を行うにはあまりに大きい。担当課は「開発には県の協力なしには到底厳しい」としており、山下前市政の「継承・発展」を掲げる小紫雅史市長の手腕も問われる。
UR西日本支社の広報担当者は「譲渡の契約については現在も市と協議中」とコメント。土地の取得金額は不明だが、臨時会会期中の22日には土地の鑑定評価額が判明する見通しで、臨時議会での議論が注目される。
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