練行衆が「試別火」入り 東大寺二月堂のお水取り
2016年02月21日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
闇に包まれ、冷たい雨がやみかけた東大寺戒壇院別火坊。二月堂修二会(お水取り)に参籠する11人の練行衆たちは次々と着くと、静かに障子を開けて中へと入っていった。
20日夜の「試別火(ころべっか)」入りは心身を清める前行の始まりである。「別火」は普段とは用いる火を別にすることで、前半の「試別火」と精進潔斎が一段と厳しい後半の「総別火」(閏年の今年は27日から)に分かれる。別火の間には「花ごしらえ」(造花づくり)や声明の稽古などをし、3月1日から2週間にわたる本行に備える。
今回、戒を授ける和上は筒井寛昭さん、祈りの中心となる大導師は橋村公英さん、密教的修法などを司る咒師は上司永照さん、進行役の堂司は森本公穣さんがそれぞれ務める。
奈良時代に始まり、1265回目を数える二月堂修二会は人々に代わって仏に懺悔し幸福を願う法会。今年も万人の「春」への祈りの季節がやって来た。
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