春日餺飥うどん、古代ひしお…アメリカの料理関係者に奈良の味PR
県の特産食品の海外展開を図ろうと、奈良の食文化発信に取り組む老舗包丁店「菊一文珠四郎包永」(奈良市)が米国の料理学校関係者ら6人を招聘。平安時代に春日大社で振る舞われたとされる麺を再現した「春日餺飥(はくたく)うどん」づくりに挑戦するなどし、奈良の食材の魅力を探った。
県の海外進出促進支援補助金事業の一環の市場調査プロジェクトとして実施。招かれたのは世界屈指の料理学校「カリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカ(CIA)」の関係者やプロのシェフ、フードライターら6人で、4日間奈良に滞在した。
「春日餺飥うどん」は、小麦粉に米粉などを混ぜて作った平麺。文献から「奈良の食文化研究会」が再現、県内の飲食店などで提供されている。12日には春日大社で同会の的場輝佳さんが文献から再現したレシピなどを紹介、「1300年前に奈良にあったとされる『餺飥うどん』を新しい名物として発信したい」と話した。
一行はその後、斑鳩町の「ニシキ醤油」で、しょうゆの前身とも言われる奈良時代の大豆の発酵調味料「古代ひしお」の製造工程を視察。醸造中のひしおの試食も行われ、参加者からは「チーズのような味」「うま味と香りが濃厚」と感嘆の声が上がった。同町の「太田酒造」でも奈良漬や日本酒を試食、奈良の食文化を堪能した。
菊一文珠四郎包永の柳澤育代社長は「期待していたよりも反応がよかった」。米国・サンフランシスコでオーガニックの食料品店などを経営するサム・モガンナムさん(47)は「奈良の食文化の素晴らしさを堪能できた。ひしおや奈良漬などアメリカでも売れる可能性は十分ある」と話していた。
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