人口減少率10%以上は13町村、上北山と黒滝両村は20%超 国勢調査
26日に総務省統計局が発表した平成27年の国勢調査の速報値。調査を始めた大正9年以降、2・6%減と最も高い人口減少率となった県は、全国の市町村別減少率の上位20位以内に県内の6町村が入り、人口減少の深刻さが改めて浮き彫りとなった。
速報値によると、県では過疎化が進む南部東部を中心に、10%を超える高い減少率となった自治体が13にも上り、特に上北山村と黒滝村では20%を超えた。全国の市町村別の減少率ランキングでも、東日本大震災で被災地となった自治体を除くと県内の自治体が断トツで上位にランクインした。
「予想より高い数字だった」
全国6位の減少率となった上北山村(25・3%減)の担当者はこうつぶやいた。村の人口は510人で、人口減少対策はもはや待ったなしの状態だ。同村の担当者は「人の呼び込みは時間がかかる。すぐに結果が出るものではない。着実に移住定住につながる事業を進めていきたい」としながらも、「村からは高校には通えない。子供の高校進学をきっかけに家族ごと出ていくケースも多く、悩ましい」とため息をつく。
同8位だった黒滝村(22・0%減)の村民も、複雑な心情を吐露する。同村に住み、林業に従事する男性(42)は「全国で減っていること。ある程度は仕方がない」と冷静だが、子供の教育に不安も抱える。
自身は17年前に東京から移住した。だからこそ、「林業や田舎暮らしにあこがれる人は必ずいる。村は移住希望者がスムーズに空き家や仕事を探せるような体制を充実させてほしい」と訴えた。
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