「生存者の帰国の交渉を」 北朝鮮拉致被害者の蓮池薫さんが講演
北朝鮮による拉致被害者で新潟産業大准教授の蓮池薫さん(58)が28日、大和郡山市のやまと郡山城ホールで講演。停滞する拉致問題について「日本は生存者の帰国を中心とした交渉をすべき。解決の道は必ず開ける」と話した。
ニュースなどから情報を入手しづらい聴覚障害者のために拉致問題の現状を語ってもらおうと、同市聴覚障がい者協会が協会45周年を記念して開催、県内外から約340人が集まった。
蓮池さんは「夢と絆」をテーマに講演し、「拉致によって、命以外すべてを奪われた」とした上で、いまだ帰国がかなわない拉致被害者について、「夢と絆を取り戻すために1日も早く戻ってきてもらう。何十年もたち、もう時間がない」と述べた。
また、身につけた朝鮮語を仕事に生かそうと考えたことに触れ、「思いさえあれば、自分に価値を見いだし、進む道を見つけられる」と話し、「障害者を助けるのではなく、パートナーとして力を合わせていきたい」と呼びかけた。
大和郡山市の主婦、脇田里美さん(72)は「とてもいい話だった。拉致被害者が早く戻ってきてほしい」と話した。
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