貧困世帯の子供 最大の課題は学力不足 支援体制急務
貧困世帯の子供が抱える最も大きな問題は「学力の不足」―。県が昨年、教育関係者に実施したアンケートでこんな現状が明らかになった。親から子供につながる「貧困の連鎖」は近年、全国的な課題として浮上。県内でも支援が急務となっている。
アンケートは貧困状態にある子供の課題を把握しようと県立高校や各市町村教委、養護施設などの教育関係者403人に実施。現在行っている支援内容や有効な支援策などを調べた。
その結果、貧困状態にある子供が抱える問題では「学力の不足」を挙げた人が最多の281人(複数回答可)、続いて「食生活不全」「自己肯定感の不足」「精神不安定」など、生活面や心理面での問題が続いた。また、貧困のリスク要因については「家計(就労)の不安定」が最多で331人(同)、次に「ひとり親家庭」「親の就労意欲の低さ」だった。
一方、家庭への支援が困難な理由としては「保護者の抵抗感」がトップ。「関係機関との連携・協力が不十分」が続いた。有効と思われる支援内容については「生活の支援」が最も多く、次に「教育の支援」「保護者に対する就労支援」となった。
調査には「貧困環境で育った子供は自己肯定感が乏しく、『どうせがんばっても』という意識を強く持っている。子供への直接的な支援が必要だ」(学校関係者)、「高校以上の教育を子供の意思で目指せる環境が整うことが望まれる」(施設関係者)―といった意見が寄せられたという。
県は「支援が必要な子供を早期に発見し、行政や地域で包括的な支援体制を整備したい」としている。
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