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課題山積ですよ 訪日外国人へのおもてなし 奈良市で接客セミナー


 海外からの訪日客(インバウンド)が加速する中、奈良市で官民一体の誘致活動が始まった。同市を平成26年に訪れた外国人観光客は63万人と前年比約45%も増加したが、外国人からは応対に不満の声も上がっている。街全体の接客スキルを向上させようと、同市中心市街地活性化協議会と県が開いた「インバウンド接客セミナー」で、講師は「この街はお金を落としてもらう仕組みが整っていない」と指摘した。

 ■外国語や絵文字表記

 「店内やメニューに外国語や絵文字の表記を載せることで、説明の手間を少なくすることができます」

 奈良市のもちいどのセンター街にある「きらっ都奈良」で2月下旬に開かれた「インバウンド接客セミナー」。

 「ジェスチャーと簡単な英語では説明しきれない」と相談した参加者に、講師を務めたダシルバ久恵さん(35)はこう説明した。

英語での接客練習に取り組む参加者を指導するニクソンさん(左)

英語での接客練習に取り組む参加者を指導するニクソンさん(左)

 セミナーは、飲食店向けと物販店向けに分けて2月中に計2日間開催され、計38人が参加した。講師は久恵さんと、セントビンセント・グレナディーン諸島出身の夫、ニクソンさん(40)の2人。市内で英会話教室を主宰し、外国語での接客研修事業、翻訳サービスも手掛けるインバウンドのプロだ。

 参加者は外国人接客の心構えなどを講義形式で学んだ後、実際の店舗を使った研修も実施。2時間のプログラムは、実践対応のための徹底したノウハウ伝授だった。

 ■文化の違い理解して

 確かに、市内の飲食店や物販店に英語のメニューや説明表示が多いとはいえない。このため、和食の知識がない外国人が説明を求め、慣れない店員が応対に時間がかかるなどの課題があるという。久恵さんは、料理の食材や調理方法、食べ方を表記することや、多言語で特徴や用途を説明した奈良特産品コーナーを設けることを提案。手間が省ける上、外国人にアピールもできる一石二鳥の対応だ。

 日本人にとっては当たり前の「おしぼり」も、実は日本独自の文化。「手を拭くための布」と説明しないと、外国人観光客は理解できないという。また「お冷や」が無料で提供される国は少ないため、「これは無料です」と一声かける配慮も大切だ。

 昨年9月に札幌市のコンビニで、会計前のアイスクリームを開封して食べ始めた中国人をとがめた店員が暴行され、中国人が傷害容疑で逮捕されたが、久恵さんは「海外では支払い前に商品を飲み食いする人はたまにいる」と指摘。「落ち着いて『支払いはこちらで』とレジに案内するのがスマート」と説明した。

 ■京都と対応レベルに差

 東京で13年間暮らしたニクソンさんは「奈良は言語対応など、まだまだ発展途上の部分が多い」と指摘。「同じ古都の京都と比べても、対応レベルに差がありすぎる」と、外国人の目から見た奈良の課題を挙げた。

 実際、外国人1人当たりの観光消費額を比べると、京都市の平均は26年で12万4千円だが、奈良市は宿泊外国人でも約6万8千円。久恵さんは「この街にはお金を落としてもらう仕組みが整っていない」とし、「インバウンドが増加している今、チャンスを絶対に逃してはいけない。私も奈良を盛り上げるために頑張りたい」と力を込めた。

 「日帰り観光」が定番で、消費も少ない奈良の観光を、官民挙げた意識改革から変えていくことができるか。今後の展開が注目される。(神田啓晴)

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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)

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