「日帰り観光地」返上へ懸案の外資系高級ホテル JWマリオットに 東京五輪の年に開業
不動産開発大手「森トラスト」(東京)は3日、奈良市に日本初進出となる外資系高級ホテル「JWマリオットホテル奈良」を平成32(2020)年春に開業すると発表した。国内有数の観光地でありながら、宿泊客数は全国ワースト2と京都や大阪の後塵を拝してきた奈良県が〝悲願〟として荒井正吾知事を先頭に誘致を進めてきた。
JWマリオットは米ホテル大手のマリオット・インターナショナルが展開する最高級ホテルブランドで世界25カ国に75施設があるが、日本は未進出だった。
新ホテルは奈良市の平城宮跡に近い県有地の一角に建設される。森トラスト側が約4千平方メートルを購入し、ホテルとなる延べ約1万5千平方メートルの建物を29~31年度にかけて完成させる予定だ。
計画では地上6~7階建てで、国賓級が宿泊する部屋やスイートなどを含め全150室。レストランやバー、プールなども設ける。外観は神社仏閣のデザインをモチーフに奈良らしさを表現する。客室料金は未定。
この日、森トラストの森章社長と東京都内で会見した荒井知事は「大変感激し、喜んでいる。人が集まり交流する拠点となるよう整備したい」と期待を込めた。
「日帰り観光」が定番とされてきた奈良県にとって、観光の目玉ともなる外資系高級ホテルの誘致は長年の悲願だった。背景には、宿泊施設の客室数が9205室で全国ワースト1(26年)、延べ宿泊客数も約262万人で全国ワースト2(27年)という厳しい現実がある。
県は新ホテルを核として周辺に商業モールやイベント広場など滞在型観光の拠点施設を整備する構想を立てている。ホテル誘致をめぐっては県が26年にホテル事業者を公募。同12月、森トラストなどの企業グループに決定した。
【関連記事】
「東京五輪までにまちびらき」と荒井知事 外資系高級ホテル核のにぎわい施設
弥生時代の水田跡見つかる 奈良市内で初の大規模 石包丁や和同開珎も出土
大林組などの企業体に決定 奈良市の超高級ホテル周辺にぎわい施設運営業者に
平城京貴族の邸宅跡出土も「記録保存」のみ ホテル建設計画は予定通り
(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)
産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html